f流の日常は激務である。
休みは日曜日だけ。
朝、5時に起きて、20分で支度をして、家を出る。
朝ごはんは、会社についてから食べる。
通勤の電車の中は、この時間帯は空いているので座って寝て出勤できる。
通勤時間は約1時間30分。
電車の中で座って寝て通勤できるので何とか体は持つ。
最初は別の改札口を出て出勤していたが、気分転換で反対側の改札口から出て出勤してみようかなと思った。
それが一年ぐらい前かな。
で、アイキャッチ画像の写真を見てもらうとわかるのだが、左右に木々が生い茂っていて、アーチ状に歩道を包んでいる。
この歩道が結構、長い距離に続いている。それから天気のいい日はこの歩道を通って通勤することにした。
f流にとっては、自分の中の癒しの発見であった。
夏でも涼しく感じる。
この歩道は、木々に囲まれているせいか、都会なのに空気がおいしく感じる。
夏の時期は、セミの鳴き声が響き渡っているが雑音には感じない。
ああ、夏だなと思いながらこの歩道をゆっくり楽しみながら歩いている。
不思議なことにこの歩道に生い茂っている木々にはミンミンゼミの鳴き声が多い。
ミンミンゼミは、用心深く木の高いところで鳴くのでなかなかその姿を見ることができない。
アブラゼミなんかは木の低いところでも泣いているので、よく子供のころ捕まえたな。
そこで、ミンミンゼミのことをネットで調べると、ミンミンゼミの幼虫は乾燥した土中が好きで、成虫はケヤキやサクラなどの樹木を好むらしい。
確かにここの歩道の木々は、ケヤキ、サクラの木々も多く見かける。それと、ヒートアイランド現象によって乾燥化が進んでいることもミンミンゼミの成育に好ましいようだ。
それで、増えてきたんだね。
それを考えるとセミたちも環境に適応しながら住むところを移りながら強く生きているんだね。
この歩道は犬の散歩をしている人、ジョギングをしている人、年配の方々のオーキング。
ベンチに座って、朝ご飯を食べている人。
ラジオ体操が終わった帰りなのだろう。ラジオ体操のスタンプカードをぶら下げた子供たちの元気な声が聞こえる。
都会の中のオアシスだ。
この歩道の空間だけ、時間がゆっくりしている。だれもが落ち着いて幸せを感じる空間である。
歩くと会社までは30分かかる。でも自分自身の癒しとして必要な時間である。
この癒しの時間があるからこそ、仕事へと気分を切り替えることができる。
そうこうしているうちにこの歩道も終点に近づいてきた。
この歩道を抜けると、急に現実に戻ったようだ。
大通りに出て車の走る音、早足で通勤、通学に向かう人。
対照的な場所に出てくる。自分もその中に突っ込んでいく。
会社の前に来て、一つ深呼吸。いつも出勤は自分が一番乗りだ。
『会社に頼らない生き方』を決意して、
副業を本業にシフトして独立を目指してはいるが、
自分へのけじめとして、今抱えている一大プロジェクトが完了するまでは退社できない。
まだ、この会社にいることは確か。
いる間はしっかりやらないとな。
では。